自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

例規審査事務経験のある地方公務員のブログ。https://twitter.com/hotiak1

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

条例を制定する意義

自治体が住民に対し義務を課し、又は権利を制限するためには、条例によらなければならない(地方自治法第14条第2項)。したがって、現在は、権利義務規制を伴わない条例が増えているが、条例を制定する意義は、何と言っても権利義務規制を行うところにある…

下位例規への経過措置の委任

次の規定は、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「法」という。)」第52条の規定である。 (経過措置) 第52条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断さ…

法定の行政指導

行政指導とは、行政機関が、一定の行政目的を達成するため、法律上の拘束力を有しない手段により、特定の者に一定の作為・不作為を求めることをいい、多くは法律上の根拠なく、当該行政機関の任務ないし所掌事務の範囲内で行われている*1。したがって、一職…

公営住宅

公営住宅制度は、戦後復興期における住宅ストックの量の絶対的な不足の解消を果たすものとして創設され、公営住宅法に基づき、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を住宅困窮者に供給することを目的としてきた*1。元々想定していたのは、所得が低くて、住…

閲覧所

法令には、書類の閲覧について規定が設けられることがある。例えば、次の建設業法の規定である。 建設業法(昭和24年法律第100号) (提出書類の閲覧) 第13条 国土交通大臣又は都道府県知事は、政令の定めるところにより、次に掲げる書類又はこれらの写しを…