自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

例規審査事務経験のある地方公務員のブログ。https://twitter.com/hotiak1

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第2次分権改革の評価(8)

(6) 廃止されている事項 旧介護保険法に基づく施設として指定介護療養型医療施設がある。これは、都道府県知事が指定する介護療養型医療施設である。介護療養型医療施設とは、療養型病床群等を有する病院であって、当該療養型病床群等に入院する要介護者に対…

第2次分権改革の評価(7)

(5) その他省令の規定が不適切なもの 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下「障害者支援法」という。)に基づく指定障害福祉サービスの基準は、第2次一括法により条例で定めることが委任された事項である(障害者支援法第43…

第2次分権改革の評価(6)

(4) 制度の施行日が適切と思われないもの 社会福祉制度において契約的な考え方を取り入れているサービスに、基準該当サービスというものがある。例えば介護保険法においては、保険給付の対象となる指定事業者としてのサービスの本来の要件の一部は満たしてい…

分限事由を追加する改正条例について

今回は、現在記載しているシリーズを中断して、話題になっている分限事由を追加する改正条例について取り上げる。 それは、公立小学校で起きた教諭によるいじめ問題で、加害者の教諭4人を有給休暇を取らせ自宅で謹慎させたことについて寄せられた批判を受け…

第2次分権改革の評価(5)

(3) 権限委譲したことが適切と思われないもの いわゆる一括法により条例事項とされたものについては、その移譲先が適切とは思えないもの、例えば都道府県に移譲された事項が本来であれば市町村に移譲されるべきであったのではと思えるものがある*1。 さらに…