自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

例規審査事務経験のある地方公務員のブログ。https://twitter.com/hotiak1

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

条例立案時における憲法適合性及び法律適合性への配慮(3)

(2) パチンコ店の規制 パチンコ店を規制する条例については、判例①は違法、判例②は適法と結論を異にしているが、判決が述べている内容は、次のとおりである。 区分 条例と風営法の目的 風営法が条例による独自の規制を許容しているか 条例の規制方法等 判例①…

条例立案時における憲法適合性及び法律適合性への配慮(2)

3 法律適合性について (1) ラブホテルの規制 今回取り上げる判例は、風営法との関係が問題となることで共通している。条例及び風営法の規制対象と規制内容、そして判例の結論がどのようになっているかは、次のとおりである。 区分 規制対象 風営法の規制内…

条例立案時における憲法適合性及び法律適合性への配慮(1)

1 はじめに 政策法務関係の文献を見ると、条例の憲法適合性及び法律適合性について記載されていることが多い。しかし、それらの記載が条例立案時にどの程度役立つのかは疑問を感じることがある。 そこで、風営法との関係が問題となる次の3つの判例を取り上…

新型コロナウイルス対策条例を制定するのであれば

新型コロナウイルス対策については、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言は解除されたものの、東京都を中心に感染者が増加し、経済活動との両立が模索されている中でどのように行っていくのか難しい局面に入っているように思われる。 自…

「県」とするのか「知事」とするのか

法令において自治体について規定する場合、自治体(都道府県、市町村)とする場合と自治体の機関(知事、市町村長)とする場合がある(以下、前者については「県」、後者については「知事」として記載する)。 このような書き分けがされるのは、行政の意思決…