自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

例規審査事務経験のある地方公務員のブログ。https://twitter.com/hotiak1

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

附則に規定すべき事項……その他諸々

〇〇町の再生エネ条例に不備 一部の事業者に指導や勧告できず 〇〇町の再生エネルギー促進条例が2018年12月の改正時から、一部の発電事業者に対して処分を伴う指導や勧告ができない状態になっていたことが25日、分かった。新たな規定を加えた際に、付則の修…

条例制定権の範囲と限界~国及び他の自治体の事務との関係(3)

イ 具体例 (ア) 消費者保護条例 具体的な例として、まず消費者保護条例を取り上げる。 消費者保護条例に規定する内容については、猪野積『条例と規則(2)』(P91)において、次のように類型化されている。 ① 事業者規制 ・ 危害発生の防止(欠陥商品、不安商…

条例制定権の範囲と限界~国及び他の自治体の事務との関係(2)

(2) 「私法秩序の形成等に関する事項」と条例制定権 ア 概説 前回取り上げた条例制定権が及ばないとされた成田教授の類型化のうち、「①国全体にわたって画一的な制度によることが好ましいと思われるもの」と「④その他、対象たる事項が一地方の利害にとどまら…

条例制定権の範囲と限界~国及び他の自治体の事務との関係(1)

<「自治体法制執務雑感」関連記事> 2008年2月29日付け記事「都道府県条例に市町村の責務を規定することについて」 2014年10月25日付け記事「続・都道府県条例に市町村の責務を規定することについて」 1 概説 自治体の条例制定に関する基本的な事項として…

自治体の組織は何でもありか

ある条例を制定するために学識者会議が置かれ、その提言において施策推進のため「〇〇センター」と称する第三者機関を置き、そこに委員、調査員等を置くことを求める内容があったことがある。 このセンターなる組織の性格は必ずしもはっきりしなかったのだが…