自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

例規審査事務経験のある地方公務員のブログ。https://twitter.com/hotiak1

自治体の組織は何でもありか

 ある条例を制定するために学識者会議が置かれ、その提言において施策推進のため「〇〇センター」と称する第三者機関を置き、そこに委員、調査員等を置くことを求める内容があったことがある。

 このセンターなる組織の性格は必ずしもはっきりしなかったのだが、行政委員会のような組織になってしまうような印象を受けた。そうすると、このような組織を条例で定めた場合は違法ということになる。

 解決方法とすると、次の2つの方法が思い浮かぶ。

  1. 上記の組織が担う業務は民間に委ねることとし、その民間の機関は指定機関とするなどの形で行政が関与する。
  2. 上記の組織は附属機関とし、その組織が担うこととしていた一定の業務は自治体において直接執行する。

 学識者会議の意向にできるだけ沿うことを考えれば1ということになるが、結局は2の方法を採ることになった*1

 学識者会議の提言に最大限配慮したつもりだが、その委員からは結構批判された*2。委員には、法律関係の学者と弁護士は入っていたのだが、行政法の専門家と思われる方はいなかった。この手の会議に行政法(特に地方自治法)に通じた方は必須だと思う。

*1:民間に業務を担う適当な機関がなかったということもあったように思う。

*2:法律の専門家ではないが、地方分権なのだから、提言どおりのことができないはずはないといった批判をする方もいた。