自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

例規審査事務経験のある地方公務員のブログ。https://twitter.com/hotiak1

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

法律における西暦表示(下)

2 海外における会議等の開催日・条約等の制定日等 次は、国際連合総会の開催期日に西暦を用いている例である。 津波対策の推進に関する法律(平成23年法律第77号) (津波防災の日) 第15条 (略) 2 (略) 3 国及び地方公共団体は、2015年12月22日の国…

法律における西暦表示(上)

「2050京からCO2ゼロ条例」なる条例があると聞き、大胆な題名を付けたものだと思ったが、これは愛称であり、正式名称は「京都市地球温暖化対策条例」とのこと。 一番気になったのは、「2050」と西暦表示をしているところである。法令においては、一般に元号…

武蔵野市住民投票条例案(下)

2 住民投票の対象事項について 住民投票の対象とする事項は、条例案の第4条に規定されているが、この規定は、武蔵野市自治基本条例(以下「自治基本条例」という。)第19条を受けた規定である。そこでまず、これらの規定を次に掲げておく。 武蔵野市自治基…

武蔵野市住民投票条例案(上)

武蔵野市住民投票条例案(以下「武蔵野市の条例案」又は単に「条例案」という。)が外国人に投票権を認めることとしていることが大きな話題になっている。一部の国会議員から、外国人に投票権を認めると外国人による意思決定がなされる危険があるという意見…

一部改正例規を改正する例規の立案等~改正規定の特定を中心として(16)

(「(6) 改正規定の特定の簡略化」の続き) 考えられるのは、条を引用する場合に「第〇条から第〇条まで」とするように、「…から…まで」といった引用ができないかである。「…から…までの改正規定」とした事例として、次のものがある。 地方税法等の一部を改…