自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

例規審査事務経験のある地方公務員のブログ。https://twitter.com/hotiak1

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

経過規定(4)

((2)「経過措置が必要な項目を具体的に拾い出すこと」についての続き) 前回の例2について具体的にどのように書くかであるが、前回記載した1から7までに該当するケースが限定されるのであれば、当該ケースごとに具体的に書いていけばいいことになる。 1…

経過規定(3)

((2)「経過措置が必要な項目を具体的に拾い出すこと」についての続き) 他の自治体の表彰規則は、次のような書きぶりになっていた。 <例2> (市政有功表彰) 第3条 市政有功表彰は、次の各号の一に該当する者に対し、その功労を表彰する。 (1) 市長とし…

「もの」

『自治実務セミナー2021.1』で北村喜宣教授が「空家等対策の推進に関する特別措置法」第2条第1項の規定に関し興味深い指摘をされている。同項の規定は、次のとおり「空家等」の定義を定める規定である。 この法律において「空家等」とは、①建築物又はこれ…

経過規定(2)

2 経過規定の書き方 (1) 総括 経過規定を書く場合には、次の事項に留意する必要がある。 ア 経過措置が必要な項目を具体的に拾い出すこと。 言うまでもないことだが、経過措置が必要かどうかは、項目ごとに検証していく必要がある。経過規定をどのように書…

新旧対照表方式と改め文方式の併用~省令改正の事例から

押印見直しを受けた省令の改正が昨年末の官報を賑わしたが、様式改正の場合は新旧対照表方式によると面倒な面があるため、一の省令の改正の中で条文の改正は新旧対照表方式を用い、様式の改正は改め文方式を用いる例が多い。このように新旧対照表方式と改め…