自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

例規審査事務経験のある地方公務員のブログ。https://twitter.com/hotiak1

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

一部改正例規を改正する例規の立案等~改正規定の特定を中心として(1)

最近、改正規定を引用する規定が複雑な書き振りになっているのを見たが、もう少し簡略化した表記ができるのではないかという感想を持った。 改正規定の引用は、一部改正例規を更に改正する例規を立案する際に必要な立法技術であるが、これについては、旧ブロ…

規制手法~免許制

規制手法の代表的なものは、許可制である。「許可」とは、法令による特定の行為の一般的禁止を公の機関が特定の場合に解除し、適法にこれをすることができるようにする行為をいう(吉国一郎ほか『法令用語辞典(第9次改訂版)』 (P167))。 これと同様の意…

条例に規定すべき事項

自治体が条例を制定しなければいけない事項は、住民等に義務を課し、又は権利を制限することである(地方自治法第14条第2項)。したがって、条例にはそれ以外の事項を定める必要はないのであるが、義務賦課・権利制限事項しか定めていない条例はほとんど存…

義務付けされていない行為に対して過料を科すことは可能か(下)

次は、修正後の法案を審議している参議院内閣委員会、厚生労働委員会連合審査会における議論である。 ○福島みずほ君 ……次に、感染症法の解釈としてコンメンタールを置いております。これは感染症法のコンメンタールで、配付資料なんですが、これは入院に係る…

義務付けされていない行為に対して過料を科すことは可能か(上)

2021年2月3日に公布された「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律(令和3年法律第5号)」第2条の規定により「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下このシリーズで「感染症法」という。)」が改正され、次…