自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

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許可と登録(5)

(「(2) 『フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律』の例」の続き)

 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」においても、許可又は登録の基準の一部を省令に委任している(第51条第1号、第29条第1項)。当該委任を受けた省令の規定は、次の「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律施行規則(平成26年経済産業省環境省令第7号)」の規定である。

第一種フロン類再生施設等に係る使用及び管理に関する基準 第一種フロン類充塡回収業者の登録の基準
(第一種フロン類再生施設等に係る使用及び管理に関する基準)
第58条 法第51条第1号の主務省令で定める第一種フロン類再生施設等に係る使用及び管理に関する基準は、次のとおりとする。
(1) 第一種フロン類再生施設等の種類に応じて、フロン類を大気中に排出することなく、再生をしたフロン類の用途に応じた適切な再生を行うことができ、かつ、再生の能力に関する基準を達成できるよう、次に掲げる事項について、適切に定められていること。
イ 運転方法
ロ フロン類の供給方法
ハ 再生をしたフロン類の捕集方法
ニ 再生をされなかったフロン類の処理方法(再生をされなかったフロン類について、法第58条第2項の規定によりフロン類破壊業者へ引き渡す場合の当該フロン類の捕集方法その他の引渡しの方法をいう。次号において同じ。)
ホ 再生をしようとするフロン類、再生をしたフロン類及び再生をされなかったフロン類の保管の方法
ヘ 保守点検の方法
(2) 前号の運転方法、フロン類の供給方法、再生をしたフロン類の捕集方法、再生をされなかったフロン類の処理方法及び保守点検の方法を遵守するために、第一種フロン類再生施設等の状態を計測装置等により定常的に確認することとされていること。
(3) 再生をしたフロン類の純度及び再生をしたフロン類と混和している不純物の濃度について、自ら保有する分析機器を使用すること又は十分な経験及び技術的能力を有する者に分析を委託することにより適切に確認することとされていること。
(4) 前2号の確認により第一種フロン類再生施設等の異常を発見した場合には、速やかに対策を講じることとされていること。
(5) 再生をしたフロン類を冷媒その他製品の原材料として利用する者に譲渡する場合においては、当該譲渡の相手方に当該譲渡に係る再生をしたフロン類の純度及び再生をしたフロン類と混和している不純物の濃度の確認の方法及び確認の結果をあらかじめ通知することとされていること。
(6) 第一種フロン類再生施設等の使用及び管理についての責任者を選任することとされていること。
(第一種フロン類充塡回収業者の登録の基準)
第9条 法第29条第1項の主務省令で定める基準は、次のとおりとする。
(1) フロン類の引取りに当たっては、申請に係る事業所ごとに、申請書に記載されたフロン類回収設備が使用できること。
(2) 申請書に記載されたフロン類回収設備の種類が、その回収しようとするフロン類の種類に対応するものであること。
(3) 申請に係る第一種特定製品であってフロン類の充塡量が50キログラム以上のものがある場合には、当該第一種特定製品に係るフロン類の種類に対応するフロン類回収設備が、1分間に200グラム以上のフロン類を回収できるものであること。

 省令の規定も、「使用済自動車の再資源化等に関する法律」のそれと比べて大きな違いはないが、第58条第1号で「……適切に定められていること」とあるように、抽象性の程度が若干高いような感じも受ける。