自治立法立案の技法私論~自治体法制執務雑感Ver.2

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地方自治法の規定修正案(7)~第2編第9章

第210条

一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない。

 「一会計年度における一切の」は不要だと思う。納まりが悪いのであれば、「収入及び支出は、全て当該会計年度の歳入歳出予算に……」とすればいい。

 

第228条第1項

分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない。この場合において、手数料について全国的に統一して定めることが特に必要と認められるものとして政令で定める事務(以下本項において「標準事務」という。)について手数料を徴収する場合においては、当該標準事務に係る事務のうち政令で定めるものにつき政令で定める金額の手数料を徴収することを標準として条例を定めなければならない。

 標準事務について政令で定め、そのうち手数料を徴収する事務について政令で定めるという迂遠な方法をとる必要はないと思う。下線部は、あえて書く意味がよく分からない。

 

第242条第1項

普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもつて予測される場合を含む。)と認めるとき、又は……

 括弧は、「認めるとき」の後ろに付す方がよいと思う。