b 首長の権限に属する事務を会計部局が行うこととした場合に条例で定めることが必須なのか
前回、首長の権限に属する事務を会計部局が行うこととした場合に条例で当該会計部局について定めている3県の条例の規定を見てみた。
では、首長の権限に属する事務を会計部局が行うことする場合に当該会計部局について必ず条例で定めなければいけないのかと言われれば、個人的には必ずしもそこまで徹底する必要はないと思っている。
会計部局は、地方自治法第170条第5項の規定により、あくまでも会計管理者の権限を処理するため置かれている組織であり、首長がその権限に属する事務を分掌させるために設けるものではないため、地方自治法第158条第1項の規定による条例で規定する必要はないのだと考えることができる。また、首長の直近下位は、会計管理者であって、会計部局ではないと考えることもできると思う。
(イ) いわゆる「本部」
災害対策基本法に基づく災害対策本部や新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく都道府県対策本部のように、特定の事象に対して庁内横断的に対応するため、首長をトップとして「本部」という名称を付した組織を置くことがある。
これらの組織については、法定の場合は、組織に必要な事項については条例で定めることとされるのが通例である*1。しかし、自治体独自のものを置く場合には要綱等によるものも多いのではないかと思う。
首長をトップとする以上、この種の組織はその直近下位の内部組織であることは疑いようがないと思われる。条例で設置していないものは、会議と同様の性格のものだという整理をすることになるのだろう。
*1:災害対策本部については災害対策基本法第23条第8項・第23条の2第8項、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく都道府県対策本部については同法第26条