衆議院法制局長である橘幸信氏は、新旧対照表方式を法律で用いるときの課題として、一部改正法の一部改正の場合にどのように新旧対照表を作成するのかといったことを挙げている(橘幸信「法制執務の観点から見た「法律」の変容と課題」『法律時報(2025年5月号)』P43)。
では、新旧対照表方式による一部改正例規を一部改正する方法として、どのようなものが考えられるのか、次の事例により考えることとする。なお、一般的に用いられているように、新旧対照表により改正した条の部分については、「第〇条の改正規定」と呼ぶこととする。
<事例>
新旧対照表方式により、次のように「A」を「B」に改めた一部改正例規について、「B」を「C」に改める。
| 改正後 | 改正前 |
|---|---|
| 第〇条 ……B……。 | 第〇条 ……A……。 |
<改正方法>
1 新旧対照表方式による方法
新旧対照表方式による場合の新旧対照表は、次のようなものになると思われる。
| 改正後 | 改正前 | ||
|---|---|---|---|
| 改正後 | 改正前 | 改正後 | 改正前 |
| 第〇条 ……C……。 | 第〇条 ……A……。 | 第〇条 ……B……。 | 第〇条 ……A……。 |
2 改め文方式により語句を特定して改める方法
改め文方式による場合は、「第〇条の改正規定中「B」を「C」に改める。」*1とすることになる。
3 改め文方式により新旧対照表を改める方法
改め文方式によるが、新旧対照表を用いようとするのであれば、次のような改め文になる。
第〇条の改正規定を次のように改める*2。
改正後 改正前 第〇条 ……C……。 第〇条 ……A……。
<まとめ>
現状では、新旧対照表方式においても改め文を併用するという方法が一般的となっていることを考えると、3の方法によるのが合理的のように思われる。
なお、新旧対照表に付される改正文の改正の要否について、別途考える必要はある。